029223 ランダム
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平凡な「30代、妻子あり」男のありのままの日常

平凡な「30代、妻子あり」男のありのままの日常

シーダーズ・カフェ(旧CEVA、清田区)

2階建てのログハウスの建物。一目見て、「入りたい」そんな衝動に駆られた。その前年、「たまたま」宿泊した上富良野のペンションが小さな森の中にあるログハウスだった。以降、ログの虜になってしまっていた。

今から8年ほど前、大学卒業後勤めた会社を退職、資格を取得するために自宅や図書館で勉強していた。それらの場所と自宅の往復の毎日。とても閉鎖的な生活をしていた頃だった。

たまの息抜きが、ドライブ。そんな中で見つけた、「ログハウスの喫茶店」だった。

車を駐車場に止め、階段を上り、思い切ってドアを開けると・・・そこは清々しい木の香りが漂う、まさに前年行ったログハウスのペンションの趣そのままの空間だった。

カウンターに座り、「フレンチブレンド」を頼んだ。ネルで落とされるコーヒー。目の前で見つめる。出されたコーヒーは美味で、木の香りをコーヒーの香り相まって、すべての疲れから解放されたような気がした。

以降、週に、1,2度は通うこととなった、カウンター奥から3番目の席に座り、「フレンチブレンド」を頼む。そんな時期が試験が終わるまで約半年続いた。

試験に受かり、再就職し札幌を離れることになったが、実家に帰るたびに通ったものである。

そんな真夏のある日。
店の女性から、声を掛けられた。「今日でお店最後なんです」
自分より、ちょっと年上かな、と思われる大人の感じの女性で、通い始めた頃から、たまに見かける女性だった。

そして・・・
「お店が終わってから、お時間あればデートしてくれませんか?」

その日の夜、店が終わる時間に再び、待ち合わせ場所の駐車場へ。待っていると、店の仲間から花束をもらった、その女性が出てきた。

支笏湖へ向かった。明け方まで湖面を見つめながら、一緒にいた。
気がつけば、恋に落ちていた・・・
真夏の夜の夢。

そんな想い出もあったりする、CEVA。今は店の名も変わり、経営者もコーヒーの味も変わってしまった。けれども、木の香りや店の佇まいは変わらない。


あの頃の自分に戻りたい時、無性に行きたくなる。
実際、札幌に行っ時、たまに訪れる。

あの人は今どこにいるのだろう・・・いい奥さんになっているのかな。


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